· 

HKT48 梁瀬鈴雅 新連載がスタート!彼女がこれまで出会ってきた印象的な「人物」について、彼女自身の言葉で綴るエッセイ『鈴の音』

HKT48の梁瀬鈴雅が、ワニブックスのWEBマガジン『Newsクランチ!』で新連載をスタート。

 

タイトルは「HKT48 梁瀬鈴雅『鈴の音』」。中学時代に「起立性調節障害」を発症した彼女が、なぜアイドルの道を目指したのか。そして、病の影を感じながらアイドルとして活動する中、今後を思い悩んでいたときに出会ったある人物の存在。

 

この連載では、梁瀬鈴雅がこれまでの人生で出会ってきた「人物」について、彼女自身の言葉で綴ってもらいる。

HKT48 梁瀬鈴雅『鈴の音』 冒頭抜粋

スポットライトに照らされ、観客のペンライトに包まれ、私は今日もステージに立っている。光に満ちた明るい世界の中に立っているはずなのに、足元はどこかおぼつかず、心は闇の中を彷徨っているようだ。私は誰のために歌い、踊っているのだろう。自分自身のためなのか、それとも他の誰かのためなのか。あの日の自分のように立ち止まってしまう誰かに、ほんの少しでも歩き出す力を届けられる存在でありたいのか。

 

私はなぜアイドルになったのだろう。

 

今から5年前、私が中学生だった頃の話だ。

 

ある日の朝、目を覚ましたら体が動かなくなっていた。ベッドから起き上がろうとすると、瞬間的に気持ち悪さと倦怠感に襲われる。それが毎朝繰り返されるのだ。昼過ぎになればようやくベッドから起き上がれるようになるが、体のだるさは常に残り、数分立っているだけで頭の血の気が引くような感覚に襲われる。用事で家を出ても、すぐに体が言うことを聞かなくなり、道端に座り込んでしまうようになった。次第に食欲は薄れ、夜も眠れなくなり、陽の光を浴びぬ体は少しずつ弱っていった。

 

そんな日々を続けるうちに、私はほとんどの時間をベッドで寝たきりで過ごすようになった。当時通っていた中学校にも行けなくなった。お風呂に入ることも、歯を磨くことさえ力が出ない。ヘアドライヤーの重さにも耐えきれず、1分も持たず腕が落ちてしまうから、髪はいつも湿ったままだ。食事をするために体を動かすのが億劫で、ベッドに横になりながらラムネを1袋だけ食べてやり過ごす日も多かった。

 

自分の身に何が起きているのか、私にも分からなかった。

 

家族や周囲からは怠けと決めつける視線を向けられ、やがて自分自身までもがそうではないかと思い込むようになった。自分を鞭打つように奮い立たせ、何とか立ち上がろうと足掻いたが、それでも体は思うように動かず、心には自責と恐れが押し寄せる。自分の周りだけ酸素が薄いような感覚で、常に息苦しさを抱えていた。

 

長く変わらない私の姿を見た母の勧めで病院へ行くと「起立性調節障害」と診断された。

「HKT48 梁瀬鈴雅『鈴の音』」は月1回更新予定。

HKT48 梁瀬鈴雅『鈴の音』

https://wanibooks-newscrunch.com/articles/-/5885